日本の外食産業は慢性的な人手不足に直面しており、外国人材の活用が急務となっています。一方で、就労ビザは業務内容によって許可・不許可が明確に分かれるため、採用側・求職側どちらにとっても適切な在留資格選択が最重要ポイントです。

 

ここでは、飲食業界で就労する際に必要な二大ビザである「技術・人文知識・国際業務ビザ」(以下「技人国ビザ」)と「特定技能ビザ(外食分野)」の取得要件と具体的な職種例について説明していきます

 

飲食店で働くための二つの就労ビザ

店舗の単純労働を任せたいなら「特定技能」、経営や多言語対応といった高度業務を任せたいなら「技人国」が、基本的な就労ビザの選び方です。

 

ビザの種類 必要な能力 現場作業の可否 在留期間 想定ポジション例
技術・人文知識・国際業務 専門知識/語学/大卒 原則NG 1〜5 店舗マネジメント、メニュー開発、多言語マーケティング
特定技能(外食) 現場オペレーション 1年(更新可) ホール接客、厨房補助、レジ業務

 

「技人国」ビザで認められる業務範囲

「技人国(技術・人文知識・国際業務)ビザ」では、以下の業務に携わることができます。

 

飲食店が外国人を採用できるポジション例

  • 店長・エリアマネージャー:売上分析や人員配置など管理業務を行い、日本人社員と同等以上の裁量をもつことが前提です。
  • 商品・メニュー開発担当:自国の食文化や専門知識を活かし、新メニューの企画・コスト管理を担当。
  • インバウンドマーケティング/通訳スタッフ:多言語SNS運用、外国語サイト更新、海外旅行客向けプロモーションなどを担当。

 

外国人に求められる申請必須条件(抜粋)

  • 学歴・資格:日本または海外の大学卒(学士)・大学院修了、もしくは実務経験10年以上。
  • 日本語能力:日本語能力試験(JLPTN1合格、もしくはビジネス日本語能力テスト480点以上。
  • 報酬水準同等業務で働く日本人と同等以上の給与設定

 

注意点

店内清掃や皿洗いなど補助的に見える作業が日常業務の大部分になると不許可リスクが高まります。業務内容を就業規則や雇用契約書に詳細に記載し、専門性を裏付ける資料提出が不可欠です。

 

「特定技能(外食分野)」ビザの制度概要

特定技能」とは、2019年の改正入管法で創設された、外国人による現場業務を認める在留資格です。外食分野では1号(現場作業中心)2号(指導・管理層)の2段階があります。

 

特定技能ビザ取得の流れ

  1. 技能測定試験(外食業)に合格
    • 調理、接客、衛生管理などの基礎技能を筆記+実技で評価。
  2. 日本語試験(N4相当)合格
    • 生活場面で最低限のコミュニケーションが取れるレベルが求められます。
  3. 受入企業が「外食業特定技能協議会」に加入
    • 労働条件の適正化や支援計画提出が義務。
  4. 在留資格認定証明書(COE)申請在留カード発行

 


ホール接客・厨房補助・レジなどいわゆる現場スタッフを合法的に雇える唯一のビザが特定技能です。ただし昇格してマネジメントを任せる場合は「技能実習特定技能2号」へのステップアップが必要になります。

 

共通の審査書類

技人国ビザ・特定技能ビザともに、共通して必要となる書類は次の通りです。共通の書類を用意したら、各ビザ申請に伴う適切な書類ももれなく揃えましょう。

 

外国人本人が用意する主書類

  • パスポート/在留カード(更新時)
  • 顔写真(縦4cm×3cm6か月以内に撮影)
  • 最終学歴の卒業証書・成績証明書
  • 日本語試験合格証(JLPTBJTJFT-Basic 等)
  • 技能測定試験合格証(特定技能の場合)

 

受入企業が用意する主書類

  • 雇用契約書(労基法第15条準拠)
  • 職務内容詳細書(単純労働に該当しない旨を具体的に記載)
  • 会社案内またはWebサイト写し
  • 直近決算書(財務状況の健全性を示す)
  • 支援計画書(特定技能の場合)

 


書類は多言語不可ですので、必ず日本語で作成し、外国語原本には日本語訳を添付して提出しましょう。

 

審査通過率を上げる5つの実務ポイント

少しでも審査通過の確率を上げるために、次の5つのポイントに気を付けてみましょう。

 

1.業務分担表を作る

1日のスケジュールを30分刻みで可視化し、専門業務の占有率を数値で示します。

 

2.給与テーブルを提示

同職種の日本人社員との比較表を添付し、同等以上を担保した形で説明します。

 

3.キャリアパスを描く

研修計画や昇格基準を明示し、長期的にスキルが伸ばせる環境であることを訴求します。

 

4.定期面談記録を残す

労務トラブル抑止のほか、在留更新時の「適正就労」立証資料になることが期待できます。

 

5.専門家へ事前相談

行政書士等にドラフトをチェックしてもらい、初回申請での不備をゼロにします。

 


なお、それぞれの項目を文書・数値で伝え、“日本人と同等以上の処遇”と“専門性の担保”を客観的に証明することを心がけましょう。

 

飲食店での就労ビザに関するよくある質問(FAQ

飲食店で外国人が就労するためのビザ申請について、よくある疑問に回答していきます。

 

Q1:アルバイトから正社員登用時にビザは切り替えが必要?

28時間以内の資格外活動許可で働いていた留学生が正社員になる場合、「留学」「技人国」または「特定技能」への在留資格変更が必要です。

 

Q2:外国人従業員に清掃も少し任せたいが大丈夫?

全体業務の一部として補助的に行う程度なら許可されるケースがありますが、主業務が清掃になると不許可のリスクがあります。職務割合を明示し、専門業務が過半を占めるよう調整しましょう。

 

Q3:タクシー会社で観光客向けフードツアーを企画する場合は?

第二種免許取得のうえ、観光プラン作成・通訳ガイド業務が中心なら「技人国」、運転+現場案内が中心なら「特定技能(自動車整備・運輸分野ではなく登録制通訳案内士)」で個別に検討が必要です。

 

まとめ

飲食業界での外国人採用は、事前の要件整理と書類精度が勝負です。「何が単純労働に当たるのか」「どの試験に合格していれば良いのか」を正しく把握し、初回申請での許可率アップを狙いましょう。

 

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