中国からの訪日団体旅行を日本国内で受け入れるためには、中連協(中華人民共和国訪日観光客受入旅行会社連絡協議会)の構成員となることが不可欠です。また、観光庁からの「日本側訪日団体観光旅行取扱旅行会社」としての指定も必須条件です。
この2つの要件を満たすことで、日本の旅行会社は正式に中国人観光客の受け入れとビザ申請手続きに関わることが可能になります。
ここでは、中連協の概要と中連協から認定を受けるための条件について説明していきます。
中連協の構成員になるメリット
中連協は、中国からの団体観光客を適正に受け入れるための日本側の受け入れ旅行会社の連絡機構です。構成員に認定された旅行会社だけが、訪日団体旅行の手配・招聘保証書の発行・ビザ申請のサポートを行うことができます。
中連協構成員となるために必要な2つの条件
中連協の構成員となるためには、以下2つの条件を満たす必要があります。
1. 観光庁からの指定(日本側旅行取扱会社)
観光庁により「日本側訪日団体観光旅行取扱旅行会社」として正式に指定される必要があります。指定を受けると、中国政府のADS制度に対応した団体旅行を受け入れる資格が与えられます。
※観光庁から訪日団体観光旅行取扱旅行会社の指定を受けるための基準については、次章をご参照ください。
2. 中連協(訪日観光客受入旅行会社連絡協議会)への加盟
中連協のガイドラインや倫理規範を順守することを誓約し、構成員として登録される必要があります。構成員は定期的に研修・連絡会議への参加が求められることもあります。
観光庁の「指定旅行会社」になるための条件
日本の旅行会社が観光庁からの指定を受けるには、以下のような基準が求められます。
第1種旅行業登録があること
- 国内外の旅行企画・手配が可能な第1種旅行業者であることが前提です。
中国人観光客の受け入れ体制が整っていること
- 中国語対応スタッフの常駐
- 通訳・ガイド・交通機関との連携体制
- 緊急対応マニュアルや支援体制の整備
不適切なツアー運営を行わないこと
- 爆買い目的の極端な格安ツアー
- 買い物偏重型の行程
- 契約にない行程の追加 などは禁止されています。
ビザ発給に不可欠な「招聘保証書」
訪日中国人が観光ビザを取得するには、日本側の旅行会社が発行する「招聘保証書」が必要になります。
招聘保証書の役割
招聘保証書は、中国人旅行者の身元・滞在の保証を行う書類で、指定を受けた旅行会社のみ発行することが認められています。同書類は、在中国の日本大使館や領事館でのビザ発給に必要な書類です。
招聘保証書を発行できる条件
招聘保証書を発行するためには、中国団体旅行を扱おうとする旅行会社が観光庁から「指定旅行会社」として指定されている必要があります。同時に、事実上の要件として中連協の構成員であることが求められます。
中連協加盟による実務上のメリット
中連協から認定を受けることで、日本の旅行会社は実務上のメリットを享受することができます。
団体観光客のビザ申請サポートが可能になる
招聘保証書を発行できるのは中連協構成員かつ観光庁指定旅行会社のみであるため、旅行客のビザ申請をサポートすることが可能になります。
中国ADS制度に対応した正規ルートでの集客が可能になる
中国国内のADS指定旅行会社と連携可能になるため、適正価格・適正ルートでの訪日旅行商品造成が可能になります。
※中国ADS制度:中国政府が認定した国・地域にのみ旅行可能な制度
政府機関との連携がしやすくなる
観光庁・JNTO・地方自治体との連携体制が強化され、補助金やキャンペーン情報にもアクセスしやすくなります。
中連協の認定取得に向けた手続きの流れ
中連協の認定を取得するために、旅行会社は以下の手続きを行う必要があります。
1.観光庁へ「指定旅行会社」として申請
- 事業計画書、旅行業登録証明などを提出
- 必要に応じて面談・ヒアリングあり
2.中連協に加盟申請
- 規約への同意と受入体制に関する誓約書提出
- ガイドライン研修を受ける場合もあり
3.招聘保証書発行体制の整備
- 書類発行責任者の設置
- 社内マニュアルの整備と法令順守体制の構築
中連協に関するよくある質問(FAQ)
中連協の構成員になろうとする旅行会社が抱きやすい疑問に回答していきます。
Q:中小旅行業者でも中連協構成員になれますか?
可能です。受入体制や法令順守の姿勢が評価されれば、中小事業者でも加盟できます。
Q:中国語対応スタッフは必須ですか?
中国人観光客の受け入れにおいては中国語での対応が重要視されます。常駐ではなくても、一定の対応体制が求められます。
まとめ
日本の旅行業者が中国からの団体観光客を正式に受け入れるには、観光庁からの指定 と中連協の構成員認定の2つが不可欠です。今後も中国からのインバウンド旅行客を迎えるにあたり、中国における旅行制度を理解し正規ルートで対応することが求められます。
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