インバウンド市場がコロナ前を超えて拡大するなか、多言語対応ができる外国人の有資格者を求める旅行会社は年々増加しています。実際に求人票では「旅行業務取扱管理者を優遇」の文言が急増。国籍不問で受験できる点も、キャリアアップを目指す外国人にとって強力な追い風です。
ここでは、日本に住む外国人が旅行業務取扱管理者の資格を取得するメリットと試験概要について説明していきます。
「旅行業務取扱管理者」とは
「旅行業取扱管理者」は、旧名称として「旅行業取扱主任者」とよばれていました。法改正に伴う呼称の変更について説明します。
旧名称と新名称
2006年(平成17年)の旅行業法改正で、資格名は旅行業務取扱主任者から旅行業務取扱管理者へ変更されました。旧資格保有者は自動的に新資格と同等に扱われます。
現行法上の役割
営業所ごとに1名以上選任が義務付けられ、旅行計画の適正性や苦情処理、書類管理など10項目の法定業務を監督。違反時には行政処分リスクがあります。
外国人が資格を取る5つのメリット
これから日本で長く働いていこう、在留していきたいと考える外国人にとって、資格取得はとても大きなメリットになります。
ビザ取得・更新で有利
経営管理ビザや技術・人文知識・国際業務ビザの審査で「専門性ある国家資格」として高評価。
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採用競争力の向上
日本人がカバーしにくい言語圏(例:タイ語・スペイン語)のツアー造成で即戦力と見なされる。
独立開業のハードルを下げる
自身が管理者になれば旅行業登録要件を自社で満たせるため、人件費を抑えられる。
収入アップ
有資格手当相場は月1~3万円。資格手当だけで年40万円近いケースも。
国際交流ネットワーク
有資格者限定セミナーや業界研究会に参加でき、外国人の人的ネットワークを広げやすい。
旅行業務取扱管理者の試験区分と取り扱い範囲
| 試験名 | 管轄機関 | 取り扱える旅行範囲 | 特徴 |
| 総合旅行業務取扱管理者 | 日本旅行業協会(JATA) | 国内+海外 | 最難関。航空券予約・国際条約まで出題 |
| 国内旅行業務取扱管理者 | 全国旅行業協会(ANTA) | 国内 | 受験者数最多。2024年からCBT方式 |
| 地域限定旅行業務取扱管理者 | 観光庁 | 営業所所在地+隣接市町村 | 小規模事業者向けに創設 |
最新合格率と難易度
旅行業務取扱管理者資格の合格率と難易度について、日本国内の旅行業協会が公開している数値を確認しておきましょう。
- 総合旅行業務取扱管理者:合格率28.2%
- 国内旅行業務取扱管理者:合格率31.4%
- 国内(CBT初年度) 合格率33.4%
※方式変更で「画面上の選択式」が増加し読解力が問われる傾向
総合旅行業務取扱管理者は海外実務の範囲が広く難易度が高い一方、国内旅行業務取扱管理者も科目免除を利用しない場合は3人に1人しか受からない“準難関資格”とされています。
試験科目と学習ポイント
旅行業務取扱管理者資格試験の科目と学習ポイントを確認しておきましょう。
旅行業法令
罰則条文・登録区分・保証金制度を数字ごと暗記。
旅行業約款
改定頻度が高い。最新版の標準旅行業約款を入手し、旧版との差分チェックを推奨。
国内旅行実務
JR運賃計算法・観光資源・季節行事をセットで覚えると得点効率が上がる。
海外旅行実務(総合のみ)
IATAコード/入国要件/通貨換算。近年はETIASやeTAなど電子渡航認証がよく出題される傾向。
外国人受験者の資格取得までの道のり
外国人が旅行業務取扱管理者資格を取得するまでの流れを知り、逆算して計画を立てて準備を進めていきましょう。
日本語力の底上げ
試験は全て日本語。JLPT N1またはN2相当が理想。業法条文は語彙が難解なので先に読解訓練を。
過去問10年分を3周
出題傾向が固定化。×を○に変える正誤問題のパターンに慣れる。
オンライン講座+CBT模試
CBT方式はタイムマネジメントが命。模試で画面操作に慣れる。
観光白書&統計の読み込み
最新データ問題対策。インバウンド数や旅行消費額は毎年更新される。
学習コミュニティを活用
SNSで勉強会を主宰すると、説明する過程で理解が深まる+日本語表現力も鍛えられる。
旅行業務取扱管理者資格試験に関する外国人からのQ&A
旅行業務取扱管理者資格の受験や在留ビザへの影響など、よくある疑問に回答していきます。
Q. パスポートしか身分証がないが受験できる?
可能。顔写真付き身分証(パスポート・在留カード等)を提示。
Q. 受験料支払いは海外クレカでもOK?
JATA・ANTAともVISA/Masterの海外発行カードに対応。
Q. 試験地は日本国内のみ?
原則国内。海外在住の場合は短期滞在ビザで一時帰国して受験するケースが多い。
Q. 合格後すぐ就労ビザに切り替えられる?
資格自体に在留資格付与効果はないが、雇用契約書+資格写しを添付するとビザ審査がスムーズ。
合格後のキャリア&ビザ戦略
資格取得後、日本でどのようなキャリアを積むことができるか、どのようなビザ取得に有利かみていきましょう。
旅行会社の営業所管理者
技術・人文知識・国際業務ビザで採用される例が多数。年収400万~600万円が相場。
インバウンド専門ガイド
通訳案内士資格とダブルライセンスで高単価ツアーを企画。
自社開業+経営管理ビザ
自ら登記→旅行業登録→管理者選任を同時進行。初期費用を圧縮できる。
地域DMO・観光協会職員
多言語マーケティングを担い、地方創生プロジェクトに関与。
まとめ
資格名称は「主任者」から「管理者」に改称済みですが、求人・検索する際は、現在でも旧称がよく使用されています。比較的難易度の高い資格ですが、国籍要件もなく、しっかり学習していくことで合格を目指すことができそうです。
今後もインバウンド需要の拡大が続くと見込まれていますので、旅行業務取扱管理者資格に関心を持っている方は、ぜひ弊社の無料相談までお問い合わせください。








