外国人を日本国内で雇用する際には、その業務内容に応じた在留資格(ビザ)が必要です。特に小売業では、「販売業務=接客・レジ打ち・商品補充」といった単純労働に分類されやすい業務が多く、ビザ取得に工夫が必要となる場面があります。
小売業で外国人が働く場合に取得できる主な在留資格は、特定活動46号と技術・人文知識・国際業務 の2種類です。雇用元の「企業カテゴリー」で提出書類が変わるので慎重にチェックしましょう。
ここでは、コンビニなどの小売店で外国人を雇うときに必要な在留資格について説明していきます。
小売業が外国人を必要とする4つの理由
| 理由 | 詳細 | 採用担当がやるべきアクション |
| ① インバウンド需要の復活 | 2024年の訪日客はコロナ前比 110%超。ドラッグストア・免税店で英中韓通訳が不足 | 求人票に「多言語接客」「ビザサポートあり」を明記 |
| ② 人手不足の深刻化 | 少子高齢化で販売スタッフ確保が困難。夜勤を担う日本人が減少 | 24h営業店は 46号人材に夜シフトを提案 |
| ③ キャッシュレス/EC 化 | 店頭でも IT×接客スキルが不可欠 | IT・語学を兼ね備えた外国人を “DXアンバサダー” に |
| ④ 多文化マーケティング | ハラール・ベジタリアン対応など商品開発ニーズ増 | 技人国ビザでマーケター/MD を採用 |
在留資格|小売現場で使えるビザ
小売業の現場で働く外国人に必要なビザは、技術・人文知識・国際業務ビザか特定活動46号ビザになります。
| 在留資格 | 主なターゲット職種 | 取得ハードル | 単純労働の可否 |
| 特定活動46号(本邦大学卒) | レジ・接客・多言語カスタマーサービス | 日本大卒+N1+フルタイム | 最大50%まで可(多言語接客と一体なら) |
| 技術・人文知識・国際業務 | 経理/企画/マーケ/通訳/販売戦略 | 大卒(学部関連)or 10年実務 | 不可(ホワイトカラー職限定) |
※留学生アルバイトは週 28 時間まで。フルタイム勤務させたいなら上記いずれかのビザに切り替える必要があります。
技術・人文知識・国際業務ビザ保有者の場合
技術・人文知識・国際業務ビザを保有している場合は、以下のような業務を行うことができます。
- 店舗の経営戦略や運営企画
- 海外取引先との輸出入交渉(バイヤー業務)
- 多言語マーケティングの立案
- 商品のプロモーション・販売計画の立案
※「技術・人文知識・国際業務ビザ」と就ける仕事についてはこちらの記事も読まれています。
特定活動46号ビザ保有者の場合
特定活動46号ビザを保有している場合は、以下のような業務を行うことができます。
- 外国語対応を前提とした接客販売
- 通訳を兼ねたレジ対応
- 外国人顧客のサポートや商品案内
※「特定活動46号ビザ」と就ける仕事については下記の説明をご参照ください。
単純労働は原則不許可
以下の業務は「単純労働」とみなされ、通常の就労ビザでは認められていません。
- レジ打ち
- 品出し
- 倉庫整理
- 清掃
- 商品陳列
- 飲食の配膳業務(販売内に飲食部門がある場合)
このような業務を主とするポジションで外国人を雇用することは難しく、資格外活動や在留資格違反に該当する恐れがあります。
特定活動46号ビザとは?
雇用する外国人が「多言語接客+業務サポート」を担当する場合は、【特定活動46号】ビザが有効です。
※特定活動46号ビザでは、皿洗い・倉庫仕分けなど自己完結型の単純作業のみで外国人を雇うことはできません。
特定活動46号ビザの取得要件
- 日本の大学・大学院卒(短大不可)
- JLPT N1 合格 or BJT 480 点以上
- フルタイム雇用(週 30h 以上)
- 日本人と同等以上の給与
- 「外国語×日本語」で顧客・スタッフを橋渡しする業務内容
特定活動46号ビザによる単純労働の可否
| 業務 | ビザ可否 | 理由 |
| レジ・接客+英中韓ガイド | ◎ | 3 か国語で商品説明=“通訳”要素 |
| 売り場 POP 翻訳・在庫案内 | ◎ | 翻訳+接客 |
| 皿洗い・清掃のみ | × | 他者との言語コミュニケーション要素ゼロ |
| EC サイト多言語 CS+商品梱包 | △ | CS が主業務 50%超なら可、梱包がメインは不可 |
単純労働が付随業務である場合
接客・観光案内などを本業とする中で、一時的または限定的に単純業務を行うことが認められるケースです。たとえば、外国人観光客対応を主としたホテルスタッフが、宿泊業務の一環としてベッドメイキングなどの補助業務を行うような場合です。
- ホテルフロント業務が主だが、清掃や荷物運搬を一部担う
- 観光案内所で外国語対応を担当しつつ、パンフレットの整理や設営作業も行う
単純労働そのものが目的ではなく、あくまで主たる業務を円滑に遂行するための補助的役割である必要があります。
日本語能力と外国語能力が不可欠な場合
「高度な語学力と異文化理解が必須の職種」であると認められる場合、一定程度の単純作業が含まれていても、46号ビザの活動として許可されることがあります。
- 外国人観光客の多い飲食店で、接客と同時にホール業務を担当
- ドラッグストアで外国語対応しつつ商品補充を行う
「日本語N1+英語や中国語などの実用レベル」の言語力を前提とし、外国人対応が業務上の重要要素であることが条件です。
接客・販売職での実務経験とみなされる場合
大学卒業後のキャリア形成の一環として、「現場での実務経験」を積む意味合いがある場合、一定範囲での軽作業が認められることがあります。これは“職務訓練の一環”として理解されています。
- 外国人観光客向けの土産物店で、接客と商品管理を一体的に担当
- 免税店にて外国語での案内・レジ対応に加え、商品陳列などの軽作業を実施
単なる作業者ではなく、「顧客対応+業務全体を理解する」ための一環とみなされる必要があります。
単純労働が“主業務”とみなされた場合は不許可
特定活動46号はあくまでも語学力や高度なコミュニケーション力を要する業務を主軸とする在留資格です。そのため、以下のような状態は不許可や在留取り消しのリスクがあります。
- 清掃・配膳・梱包などが日常業務の大半を占めている
- 雇用契約上、業務内容が曖昧で「誰でもできる作業」ばかりを行っている
- 面接や申請書類において“語学対応”の説明が不十分
特定活動ビザの申請書類/受入企業が用意する資料
| 書類 | ポイント |
| 在留資格認定証明書交付申請書 | ― |
| 写真・パスポートコピー | 6 か月以内 |
| 雇用契約書 | 勤務時間・給与・職務内訳を明記(接客〇%/翻訳〇%) |
| 事業計画書(カテゴリー3・4) | 外国語売上比率、外国人客数をデータ化 |
| 日本語能力試験 N1 合格証 | 原本+コピー |
| 大学卒業証明書 | 翻訳付き |
まとめ
小売業の現場職では「多言語接客+単純業務」が主となってくるため、特定活動46号ビザが適当であることがわかります。
もし、企画・経理・マーケティングなどの仕事を任せたい場合は、技術・人文知識・国際業務ビザで採用する必要があります。採用する会社としては、企業カテゴリー3・4の場合は決算書や外国語売上データで信頼性を補強しましょう。
弊社では初回無料相談を実施しておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。








