家族滞在ビザは就労系ビザに付随する在留資格という特殊な立ち位置のため、単独申請では永住許可が下りないという大きな壁があります。

 

ここでは、家族揃って永住許可を同時申請する際の審査ポイントと手続きの流れについて説明していきます

 

家族滞在ビザと永住許可の基礎知識

家族滞在ビザは、就労系ビザを持つ配偶者や親を「本体者」として扶養される立場で与えられる在留資格です。

 

一方、永住許可(永住権)は就労制限や更新義務がなく、社会的信用度も備えた非常に価値の高い在留資格です。ただし、家族滞在ビザ保持者が単独で永住許可を申請しても許可は下りません。家族滞在ビザの「扶養される立場」という前提が崩れてしまうためです。

 

永住許可の単独申請が不可な理由とリスク

永住許可の単独申請が不可とされる理由とリスクについて考えてみましょう。

 

在留許可の前提が異なる

家族滞在ビザは、本体者の就労があることが前提になっています。一方、永住ビザは、本人が日本社会に独立して定着していることが前提です。家族滞在ビザの保有者は本体者に扶養されているはずですから、単独申請は道理に適っていません

 

本体者だけが先に永住を取ればいいのか

本体者が先に永住許可を取得した場合、残された家族は家族滞在ビザの根拠を失うことになりますので、在留資格を変更しなければなりません。もし変更手続きに時間がかかった場合、空白期間が生じ、適切な在留資格の条件を満たせなくなってしまう可能性があります。

 

家族揃って同時申請を行うメリット

本体者と家族が同日に申請し、かつ本体者が永住許可を得た場合、家族滞在ビザ保持者は法律上「永住者の配偶者等または実子」の身分に自動で移行します

 

このタイミングであれば、永住許可申請の要件ハードル(在留期間・就労歴・収入基準)がグッと下がるため、家族も永住許可を取りやすくなるのです。

 

永住者の配偶者・実子に対する6つの審査ポイント

永住者の配偶者と実子が同時に永住許可申請を行った場合、以下の点について審査が行われると考えられます。

 

1.在留期間の要件

配偶者か実子かによって、要件が変わってきます。

 

永住者の配偶者

実態を伴う婚姻が3年以上+直近1年以上の日本在留実績があることが重要です。

 

婚姻の真実性・継続性を確認するためには規定の年数を満たす必要があります。夫婦が別居していたとしても、合理的理由(単身赴任など)があれば問題ありません。

 

永住者の実子・特別養子

直近1年以上の日本在留実績があることが重要です。1年間あれば日本社会への適応が可能であると考えられているためです。

 

2.安定した収入(世帯合算可)

目安は年収300万円+扶養1人あたり80万円と考えられています。

 

配偶者がパート就労している場合はその収入も合算してよいことになっています。前年1年間が赤字でも将来の安定性を具体的に示せば挽回可能です。

 

3.公的義務の履行

住民税・国民健康保険・年金を滞納なく納付していることが重要です。

 

軽微な延滞でも「納付遅延の常習性」と見なされると不利になりますので、最低1年間は納期限を厳守して実績を作りましょう

 

4.法令順守(素行要件)

軽微な交通違反でも累積するとマイナス評価に繋がります

 

万が一、過去にペナルティを受けた経験がある場合は、反則金完納証明と再発防止策を提出し、誠実さを示すことがとても大切です。

 

5.最長の在留期間での滞在

永住許可申請のガイドラインには、必要在留期間について以下のように記載されています。

現に有している在留資格について、出入国管理及び難民認定法施行規則別表第2に規定されている最長の在留期間をもって在留していること

※出入国在留管理庁ホームページ「永住許可に関するガイドライン」より

現行法では在留許可5年が最長ですが、実務的には3年でも申請の条件を満たすものとして扱われます。

 

6.身元保証人の確保

身元保証人は日本人または永住者に限られています。実際には、申請者の配偶者が身元保証人を担うケースが最多です。

 

第三者に依頼する場合は、「身元保証人は道徳的責任のみで賠償義務なし」である旨を事前に説明すると頼みやすいかもしれません。

 

申請準備から許可取得までの流れ

家族揃って永住許可の申請を行い許可取得するまでの流れを追っていきましょう。

 

【3か月前】必要書類の棚卸し

区分 代表的な書類 解説
本体者 勤務先の在職証明・課税証明など 世帯維持能力と安定性を証明
家族 戸籍謄本・婚姻証明・学籍証明 婚姻実態や親子関係を裏付け
共通 納税証明・年金保険料納付確認 公的義務の履行状況を網羅

 

【2か月前】家計シミュレーションの作成

  • 住宅ローンや教育費を含めた5年間のキャッシュフロー表を作成
  • 入管は「数字で示された将来設計」に安心感を覚えるため、許可率が上がる

 

【1か月前】同時申請の提出

  • 地方出入国在留管理局へファイル2冊を同日に提出
  • 証紙代8,000×人数を事前購入し、窓口の待ち時間を短縮

 

【提出後6~8か月】審査対応

  • 追加資料依頼はメールか郵送で来る
  • 転職・引越しがあれば速やかに「所属機関等に関する届出」を提出

 

【許可後】各種手続きのスタート

  1. 永住許可通知書とパスポートを持参し、新しい在留カードを受領
  2. 市区町村役場で在留カード番号変更届を提出
  3. 銀行・運転免許など各所の住所・資格更新を一括で済ませると効率的

 

永住許可に関するよくある質問

永住許可申請についてよくみられる疑問や誤解を整理しておきましょう。

 

Q. 18歳超の子も同時に永住できますか?

実子であれば年齢制限はありません。ただし扶養実態を証明する仕送り記録が必須です。

 

Q. 別居婚で3年以上ですが問題ない?

赴任命令書や家賃領収書を添えて「実態ある夫婦生活」を説明することで許可がおりた事例はあるようです。なぜ別居状態にあるのか、客観的にみて納得できるような理由を示す書類を用意することが重要になってくるでしょう。

 

Q. 年金未加入だった期間がある

「資格取得届」を提出し、1年以上の納付実績を作ってから申請すれば挽回は可能です。

 

Q.資産確保のために親族からの送金を検討している

申請直前の大口送金は十分注意が必要です。特に、親族からの援助で預金を増やすと「見せ金」と判断される恐れがあります。

 

一定期間口座に寝かせてから申請するか、贈与契約書を添付して資金の由来を明示する必要があるでしょう。

 

まとめ

日本を第二の祖国として永住許可を得たい、という願いを叶えるためには、いくつもの厳しい要件をクリアしなければなりません。家族揃って永住許可を申請する場合は、人数の分だけ困難を伴う可能性もあります。

 

入管による厳しい審査をパスするには、適切な書類をもれなく揃えることがとても大事です。申請書作成や資料収集に不安がある場合は、ビザ申請の経験豊富な行政書士に早めに相談し、家族全員で永住への第一歩を踏み出しましょう。初回相談無料を実施しておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

 

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