フィリピン人を日本で雇用する場合、仕事内容に応じた就労系在留資格を取得する必要があります。「技術・人文知識・国際業務」「高度専門職」「教育」「企業内転勤」「経営・管理」などが代表例で、仕事内容・学歴または経験・給与水準・企業の継続性が審査の重要ポイントです。企業側は雇用契約書や会社資料を整えて入管へ申請します。
フィリピン人の雇用で利用される主な就労系在留資格
フィリピン人だから特別な制度があるわけではなく、外国人全体と同じく仕事内容で在留資格が決まります。特に英語教育・介護・IT分野での採用が増えています。
技術・人文知識・国際業務(技人国)
営業、経理、人事、通訳、ITエンジニアなどのホワイトカラー職で最も多く利用されます。大卒または実務経験が要件で、単純労働は不可です。
高度専門職
研究者、技術者、マネジメント層など高い専門性を持つ人材に適用されます。ポイント制で家族帯同の緩和や永住優遇などのメリットがあります。
教育/教授
語学学校の英語講師(教育)、大学講師(教授)などが該当します。フィリピン人は英語教育分野での採用が特に多いのが特徴です。
企業内転勤
フィリピン法人や海外支社から日本法人へ転勤する際に利用されます。雇用関係が海外にあることが条件です。
経営・管理
起業や企業経営を行う場合に取得します。事務所確保・投資金額の証明等が必要です。
在留資格選定の判断基準
国籍ではなく資格要件に従って判断され、次の点が重要です。
- 仕事内容の内容と専門性
- 学歴(大学卒業)または実務経験
- 給与水準(日本人と同等以上)
- 企業の事業実体・継続性
- 雇用形態(転勤/直接雇用)
- 勤務内容が単純作業に該当しないか
これらに適合する場合に就労ビザが許可されます。
フィリピン人採用の特徴と企業メリット
フィリピン人は英語を公用語として使い、ホスピタリティやコミュニケーション能力が高い人材が多く、介護・ホテル・営業・教育など幅広い分野で活躍できます。また、IT分野の優秀な人材も多く、技人国の学歴要件を満たすケースも多いのが特徴です。
審査で重視されるポイント
入管審査では次の点が確認されます。
- 職務内容が資格要件に合致しているか
- 大学卒業または実務経験の証明があるか
- 給与が日本人と同等以上であるか
- 会社の事業実体があるか
- 業務内容説明に矛盾がないか
介護や接客など単純作業と判断されやすい職務は、業務内容の説明資料が特に重要です。
申請の流れ(フィリピン在住者を招聘する場合)
海外から呼ぶ際は「在留資格認定証明書(COE)」取得が必要です。
- 採用決定・職務内容確認 → 資格要件に適合しているか確認します。
- COE申請(企業側) → 契約書・会社資料を入管へ提出します。
- COE交付 → 本人に送付します。
- 就労ビザ申請(フィリピンの日本大使館) → ビザ発給後に渡航できます。
- 入国後に在留カード受領・勤務開始
申請の流れ(日本国内在留者を採用する場合)
留学生や家族滞在者など、すでに日本にいるフィリピン人を採用する場合は「在留資格変更申請」となります。
- 採用決定後、雇用契約締結
- 在留資格変更申請(入管へ提出)
- 許可後に就労可能
必要書類一覧(例示)
就労ビザの申請に必要な書類の例を挙げていきます。申請者本人側と採用する企業側では提出書類が変わってきますので注意しましょう。
本人側書類
本人の身分・学歴・経歴等を証明する書類で、特に「大学卒業証明」または「関連分野の職務経験」は在留資格の適合性判断に重要です。業務内容との整合性を示す経歴書も重視されます。
提出例
- パスポート
- 在留カード(国内採用時)
- 卒業証明書
- 履歴書
- 職務経歴書
- 資格証明(該当者)
企業側書類
企業の事業実体や雇用の合理性、労働条件の適正性を示すために必要な書類です。業務内容説明書や財務資料は審査で特に重要視され、書類不整合が不許可要因となります。
提出例
- 雇用契約書
- 会社概要書
- 業務内容説明書
- 決算書・財務諸表
- 労働条件通知書
- 勤務場所資料
- 派遣契約書(該当時)
不許可になりやすいケース
不許可となりやすいケースは、業務が単純作業と判断される場合、給与が低すぎる場合、学歴・経験不足、企業側の実体不足、資料の矛盾や説明不足などです。特定分野では業務説明が不十分だと不許可率が高まります。
まとめ
フィリピン人を日本で雇用する際には、従事する業務内容に合った在留資格を適切に選び、学歴や経験、給与条件、企業の事業実体などを整えたうえで、入管へ正確な申請を行うことが重要です。
外国人雇用は入管法・労働法とも関連するため、採用段階からの制度理解がスムーズな雇用につながります。
当事務所では、在留資格選定、COE申請、変更・更新手続きまで一貫してサポートいたします。フィリピン人採用をご検討の企業様はお気軽にご相談ください。








